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2024.04.09
米国
外国特許実務
中国
ヨーロッパ
韓国
主要国での早期権利化推奨方法
外国出願で早期権利化を目指すには、さまざまな方法があります。本記事では、弊所の多数の経験から、主要国で推奨する方法をご紹介いたします。
中国
優先審査制度と特許審査ハイウェイ制度(PPH※)が実施されています。
優先審査制度は、中国が第一国出願の場合を除き、中国の行政機関の推薦意見が求められるため、日本の出願人にはほとんど利用されていません。
そのため、PPHを推奨いたします。
ヨーロッパ
早期審査プログラム(PACE)とPPHが実施されています。
ヨーロッパ特許庁は独自審査の結果を重視するので、PPHの有効性を疑問視する意見が多いです。また、PPHよりPACEの方がより簡単に申請できます。
そのため、審査段階でのPACEを推奨いたします。
韓国
優先審査制度とPPHが実施されています。
優先審査制度は、指定機関の先行技術調査に基づく申請が廃止されたため、対象案件が狭まりました。実施発明に基づく申請は可能ですが、日本と異なり、証明資料が求められます。
そのため、PPHを推奨いたします。
米国
優先審査制度(Track One)、早期審査制度、及び、PPHなどが実施されています。また、半導体分野に関する試行プログラムも開始されました。
Track Oneは高額の庁費用がかかりますし、早期審査制度は出願人が先行技術調査を行って文書で提出する必要があるため、あまり利用されていません。
そのため、PPHを推奨いたします。
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上記のとおり、ヨーロッパ以外の国でPPHがお薦めです。PPHの実態について統計情報も公開されていますので、ご参照ください。
参考:fiveIPoffices「IP5 PPH」IP5 PPH Metrics 2022
早期権利化を希望される際の参考になれば幸いです。
詳しい情報のご要望や、お悩みのことがありましたら、弊所までお気軽にご相談ください。
※PPHについて
特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁(先行庁)で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁(後続庁)において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組みです。