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2023.06.28

米国

外国特許実務

中国

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主要国の翻訳文提出の最終期限(PCT移行のケース) 

PCT出願の国内移行期限は、原則として優先日から30か月(国によっては31か月)であり、ほとんどの国では期限内に英語/現地語翻訳文の提出が求められます。

様々な理由により「期限までに翻訳文の用意ができそうにないが、翻訳文提出をいつまで遅らせることが可能か?」といったお問い合わせを頂くことがありますので、主要国で可能な対応をまとめてみました。

 

<米国>

移行期限(優先日から30か月)内に日本語明細書を添付して国内書面の提出を行う必要はありますが、その後に発行される補正指令書に応答する形式で(期限:補正指令書発行日から2か月、更に5か月延長可能)、英語翻訳文を提出できます。

庁費用:補正指令応答USD 160+英語翻訳文追提出USD 140

参考:37CFR 1.52(d)(1)

 

<ヨーロッパ>

移行期限(優先日から31か月)内に英語翻訳文が間に合わない場合、EPOから発行される「期限徒過についての通知 (Noting of loss of rights)」を利用した救済手段(Further processing)により、英語翻訳文の提出に関して通知発行日から2か月間の猶予期間を得られます。

庁費用:EUR 290(但し、翻訳文以外の庁費用支払いを含むすべての手続きを、期限内に完了させている場合)

参考:EPC 121(1)Rule 135(1)

 

<中国> 

移行期限は優先日から30か月であり、国内書面の提出と同時に中国語翻訳文を提出する必要があります。しかし、この移行期限には2か月間の猶予期間が設けられており(事前の期間延長手続は不要)優先日から32か月以内であれば、国内書面+中国語翻訳文の提出が可能となります。

庁費用:CNY 1000

参考:実施細則第103

 

<韓国>

移行期限(優先日から31か月)内に国内書面の提出を行う必要はありますが、同移行期限内に韓国語翻訳文提出期限の延長請求をすることにより、翻訳文の提出期限を優先日から32か月へと延長することができます。

庁費用:KRW 20,000

参考:特許法第201条第1項

 

このように、主要国では「翻訳文の提出が移行期限に間に合わなくても一定期間は対応可能」となっておりますが、国によって対応方法に少しずつ違いがあります。また、ご紹介した主要国以外での知見も豊富に蓄積しておりますので、お困りの際は弊所までご相談ください。

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