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2023.08.11

米国

外国特許実務

【米国】PTA(特許期間の調整)について

《PTA(Patent Term Adjustment):特許期間の調整とは?》

2000529日以降にされた特許出願については、出願から特許の発行までに要した期間(審査期間)が米国特許商標庁(USPTO)の責任により必要以上に遅延した場合には、特許権の存続期間がその遅延分だけ1日単位で延長されます。但し、出願人の責任で審査期間が遅延していた場合は、USPTOの責任による遅延分から出願人の責任による遅延分を差し引いて特許期間が算出されます。

                 ↓

「PTA=USPTOの責任による遅延(①)-出願人の責任による遅延(②)」

※②>①の場合でも、特許期間が出願から20年より短くなることはありません。

 

 ①USPTOの責任による遅延(重複する期間については除外)   

  -庁通知発行や庁対応等の遅延(A Delay

  -特許の発行が「出願日/移行日」より3年以上経過(B Delay

  -秘密保持命令、審判・訴訟における手続の遅延(C Delay

 

 ②出願人の責任による遅延

  -出願人が出願の審査(処理又は検討)を終了するための合理的な努力を行わなかった期間

  -オフィス・アクション等に対する出願人の応答が3か月を超えた場合
  -その他、37 C.F.R. § 1.704(c)(1)-(14)に規定する遅延

   ・出願人の申請に基づく審査の中断

   ・特許査定後のRCE申請(通知発行~RCE申請までの日数)etc.

  -IDS提出の遅延

    出願人または代理人が引例等の情報を受領してから30日以内に提出

         しなければ、遅延と見做されます。

 

《PTAのために、出願人/代理人が気を付けるべきこと》

米国特許出願において、登録までに数多く対応することになるものは、オフィス・アクション、並びに、IDS提出の2つであると思われます。

 

オフィス・アクションについては、PTAの減算を防ぐために、期間の延長を行わないことが望ましいです。

 

IDS提出については、PTAの減算を防ぐために、PTA陳述書を添付した上で、情報を受領してから30日以内に提出する必要があります。

提出の検討を都度行うには非常にタイトなスケジュールであるため、信頼できる代理人に対応を一任するか、予めIDS提出ガイドラインを策定し代理人に周知徹底する、といった対応が望ましいと考えます。

なお、弊所では、過不足の無い明確なIDS提出ガイドラインを策定し運用しておりますため、安心してお任せいただければ、幸いです。

 

PTA陳述書に関する規則の改正》

USPTOは、2023717日より、IDS提出時に添付するPTA陳述書について、指定の書式(適切な書類コードを記載したForm PTO/SB/133)を用いることを義務付けることにしました。指定の書式を用いなかった場合、提出遅延と見做されPTAが減算されます。

これについては、米国現地代理人が当然対応すべきものであり、出願人が気を付けるべきことはありません。

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